Windows 11にてPython環境の構築

Windows 11でPythonのプログラムを書き始めるための環境構築をまとめます。Python本体を用意し、作業フォルダーごとに仮想環境を作り、Visual Studio Code(VS Code)でその環境を選ぶところまでを扱います。

初出は2025年9月28日です。以前はPython本体とpyenv-winの導入を続けて説明していましたが、最初に動かすまでの役割が分かりにくかったため、2026年10月16日に公式資料に沿って構成を改めました。以下はWindows 11向けの手順で、今回の改稿時点ではWindows実機での全手順の再確認は済んでいません。

最初に用意するもの

Python本体はプログラムを実行するもの、仮想環境はプロジェクトで使うパッケージを分けるもの、VS Codeはコードを書くエディターです。VS CodeをインストールするだけではPython本体の準備は完了しません。まずターミナルでPythonが動くことを確かめ、それからエディターを設定します。

Python本体からプロジェクトごとの仮想環境を作り、VS Codeでその環境を選ぶ流れ
Python本体・仮想環境・エディターの役割を分けて考えます。 画像を選択すると拡大できます。

1. Python本体を用意する

新しく導入する場合は、Python公式のWindows向けダウンロードページからPython Install Managerを選んでインストールします。Python本体のバージョンを管理するための公式ツールです。以前からPythonを使っている場合は、既存の環境をいきなり削除せず、現在どのPythonが動いているかを先に確認してください。

インストール後にターミナルを開き直し、PowerShellで次を実行します。Pythonの実行環境がまだない場合、Install Managerは通常、実行環境を導入してから起動します。

python --version
python -c "import sys; print(sys.executable)"

バージョン番号と実行ファイルの場所が表示されれば、本体を呼び出せています。Install Managerで管理するバージョンの一覧はpymanager listで確認できます。古いPythonランチャーもpyという名前を使うため、管理ツール自体を指定したいときはpymanagerを使うと区別できます。

2. 作業フォルダーと仮想環境を作る

作業したい場所へ移動してから、プロジェクト用のフォルダーを作ります。次の例では、フォルダー名をpython-hello、仮想環境の名前を.venvとします。

mkdir python-hello
cd python-hello
python -m venv .venv

仮想環境を作ると、.venv\Scripts\python.exeが用意されます。ここから先はこの実行ファイルを直接指定すると、PowerShellの有効化スクリプトの設定に左右されず、使用する環境も明確になります。

.\.venv\Scripts\python.exe --version
.\.venv\Scripts\python.exe -c "import sys; print(sys.executable)"
.\.venv\Scripts\python.exe -m pip --version

表示された場所に、この作業フォルダーの.venvが含まれることを確認します。pipだけを実行するより、python.exe -m pipの形で呼ぶ方が、どのPythonへパッケージを入れるのかが分かりやすくなります。

必要なら、PowerShellで.\.venv\Scripts\Activate.ps1を実行して有効化できます。有効化すると、そのターミナルでpythonやpipを短く呼べるようになります。有効化は必須ではなく、スクリプトの実行が制限される環境では、上のように実行ファイルを直接指定して進められます。

3. VS Codeで同じ環境を選ぶ

VS Code公式サイトからエディターを導入し、拡張機能でMicrosoft提供の「Python」を追加します。日本語表示が必要なら「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」も追加します。キーバインドの拡張は好みで選べばよく、Pythonを動かすための必須条件ではありません。

  1. 「ファイル」から「フォルダーを開く」を選び、作ったpython-helloを開きます。
  2. Ctrl + Shift + Pでコマンドパレットを開き、Python: Select Interpreterを選びます。
  3. このフォルダーの.venv\Scripts\python.exeを選びます。候補に見つからない場合は、インタープリターのパスを指定します。

別のPythonを選ぶと、ターミナルからは使えるパッケージがエディターからは見つからない、という食い違いが起きます。ファイル名の見た目だけで選ばず、プロジェクト内の.venvを指していることを確認します。

4. 小さいプログラムで実行を確認する

hello.pyというファイルを作り、次の内容を保存します。

import sys

print("Hello, Python!")
print(sys.executable)

VS Codeの「Run Python File in Terminal」で実行し、挨拶と実行ファイルの場所を確認します。PowerShellから直接動かす場合は、プロジェクトのフォルダーで次を実行します。

.\.venv\Scripts\python.exe hello.py

どちらも同じ.venv\Scripts\python.exeを使っていれば、エディターとターミナルの環境が揃っています。

パッケージを追加するとき

例えばHTTP通信に使うrequestsが必要になった場合は、対象の仮想環境へ入れます。最初の挨拶プログラムを動かすだけなら追加パッケージは不要です。

.\.venv\Scripts\python.exe -m pip install requests
.\.venv\Scripts\python.exe -c "import requests; print(requests.__version__)"

パッケージを入れたのにModuleNotFoundErrorになる場合は、同じPythonを使っているかをsys.executableで確認します。別のPythonへ何度も入れ直す前に、インストール先と実行元を揃えることが先です。

以前のpyenv-winの説明について

以前の記事では複数のPythonを管理する目的でpyenv-winを導入していました。複数バージョンの管理と、パッケージをプロジェクトごとに分ける仮想環境は別の役割です。ここでは新しく始める手順を短くするため、公式のInstall Managerと標準のvenvを使いました。既にpyenv-winなどで運用できている環境を、この手順に合わせるためだけに作り直す必要はありません。

参考資料

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